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篠宮の事を好きか嫌いかと聞かれたら、もちろん好きだ。
恋かと言われたら……どうなの?
一緒にいて楽しいし、楽だし。
私にしてみれば、気を使わない相手。
今までの恋愛対象の相手には、持てなかった感覚だ。
それって、友達と同じで何とも思ってないのでは?と聞かれたら、それも違うとは思う……。
いやいや、だけど。
……篠宮だよ?
自他ともに認める遊び人で、何考えてるのか全く分からない。
昨日のキスなんて篠宮にとっては外国人の挨拶と同じ感覚なのかもしれない。
たぶん、大した事じゃないんだろう。
まぁ、それ以上進まなかったのが、何よりの証拠だ。
こんなに翻弄されてるのは、きっと私1人で、篠宮なんてどーせまた女の子と遊んでるのかもしれないし。
はぁ、と大きく息を吐いて、今度は仰向けになった。
白い天井を見ながら考える。
明日は、聡君に顔を合わさなくてはいけない。
悲しいけれど、いつも通りに笑える自信はある。
だけど、篠宮は?
連絡もないし、次はいつ顔を合わすのか分からない。
会った時には、どんな顔をして、何を話せばいいんだろう。
どんなに考えても、分からなかった。
………が、そんな事考えるだけ無駄だった。
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