胸が痛んでこそ恋

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「おはよう」 社内カフェで、いつものようにモーニングを取っていると、なんと篠宮が隣にやって来た!! 「あ、お、おはよ」 驚きのあまり、どもってしまう。 鳩が飛んでる〜とか、ビルの群れを眺めながら、ぼんやり思ってる場合じゃなかった! 完全に油断していた!! ちゃんと対策をたてておけば良かった! 心の準備ができていない私をよそに、篠宮はコーヒーをテーブルに置くと、隣のイスをギギッと引っ張り距離を詰めて来る。 窓際にズラリと並ぶカウンター席。 私達の数席向こうにはもちろん社員が座っていて、1番端に座っていた私と社員の間に篠宮がこっちへ体を向けて座るから、視界が塞がれる。 ニコニコ笑っているけど、完全に逃げ場を失ったような気持ちになる。 その不敵な笑みが怖いわ! 余裕にすら見える篠宮に対して、内心オロオロしている私って、バカみたいじゃない。 「珍しいね、カフェに来るなんて」 "私も何も気にしてませんよ〜"なんて、いつものようにビジネスモードの笑顔でニッコリ微笑む。 「そう?たまに来るけど」 え、そうなの? 本当に今まで興味が無かったから、全く知らなかったわ…。 というか、会話が終了しちゃったじゃん。 篠宮は呑気にコーヒーを飲んでいる。 気まずくなって、私もアイスティーを口にすると、「クシュン」と篠宮がくしゃみをした。
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