胸が痛んでこそ恋

13/20
前へ
/283ページ
次へ
「いつも見てますーっ!きゃー!実物の方が綺麗!!」 興奮する杏璃ちゃんの目の前にいるのは、インフルエンサーの有村優希(ありむらゆうき)。 「いつも見て下さってるんですか?嬉しいです!」 ミルクティー色のショートヘア。 白く透き通るような肌に、大きな目。 そして、声まで可愛い。 その辺のアイドル顔負けの美女からは、キラキラしたオーラが放たれている。 「こちらがミーティングルームです」 「わぁ、素敵なお部屋ですねー」 結局、新商品のインフルエンサーとのコラボは、杏璃ちゃんのゴリ押しで有村優希にお願いする事にした。 本日は我らGENICと、デジタルマーケティング部の担当者と共に打ち合わせとなる。 「及川と申します。よろしくお願いします」 「及川さんってすごくお綺麗ですよね! 後でコスメ何を使ってるか教えて下さい」 ニコニコと名刺を受け取る有村さん。 人懐っこくて、可愛い…。 見た目も中身も可愛いとか、無敵じゃないか。 チラリと隣を見ると、須田君がぼーっとしている。 「ちょっと、須田君。挨拶…」 「あ!すみません!有村さんがあまりにも可愛くてぼーっとしちゃいましたー!」 おいおい、大丈夫か…須田君。 「フフッ。面白い方ですねー」 「デジタルマーケティング部 GENICプロモーション企画を担当してます、須田と申します」 「有村です。よろしくお願いします。緊張します〜」 デレデレの須田君にも寛大かつ、可愛く対応している有村さんは見事だ。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4317人が本棚に入れています
本棚に追加