4317人が本棚に入れています
本棚に追加
担当者が順番に挨拶をして、打ち合わせに入る。
フワフワしている子かと思えば、ちゃんとアイデアも出してくれるし、GENICの商品知識もすごいし、作り手側としては嬉しくなってしまった。
コンテンツの内容や、撮影日時も決まり、少し時間はオーバーしたが、順調に打ち合わせを終えた。
「本日はありがとうございました」
「こちらこそ、楽しかったです」
「有村さん、また細かい事はご連絡します!」
めっちゃ嬉しそうな須田君…。
"公私混同するんじゃないでしょうね"と冷たい視線を送るが、彼には届かない。
「有村さん、下までお送りします」
「あ、すみません」
「それでは、僕達はここで失礼します」
須田君達、デジタルマーケティング部の担当者はペコリとお辞儀をして、歩き出した私達を見送る。
「ごめんなさい、有村さん。
時間が予定より少し長くなってしまって…」
「いえいえ、こちらこそ。楽しくて色々と喋りまくってすみません」
「この後、ご予定などあったんじゃないですか?」
杏璃ちゃんと3人で歩きながら、時間が押してしまった事を詫びる。
「予定ってほどではないんですが、都合が合えばって感じで…」
ウフフと嬉しそうな有村さん。
あぁ、これからデートなのかな?
残念だったね、須田君。
有村さんがニコッと笑ってこっちを向いたから、"はい?"と応えるように笑顔で首を傾げた。
「篠宮壱哉君は、どこの部署なんですか?」
……………え?
笑顔のまま、固まる私。
最初のコメントを投稿しよう!