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「有村さんはステキですし、絶対にうまくいきますよー!」
「本当ですか?嬉しい!」
杏璃ちゃんと有村さんがキャッキャと盛り上がっているのを見て、私も表面上だけの笑みを浮かべた。
そうだよね。
篠宮には、これくらい余裕があって自信がある子がお似合いなのかも。
少々遊んだとしても、自分の所へ戻ってくればいい!と思ってるような…。
だって私は、好きな人が"遊んでいてもいい"なんて思えない。
誰かと一緒にいると考えただけで心が掻き乱されるのに、そんな思いをしながら気持ちを貫くなんて辛すぎる。
来る者拒まずの篠宮。
篠宮に好意を持ってる有村さん。
もう2人がくっつくのなんて時間の問題じゃん。
想像したら、ズキッと胸が痛くなった。
ん………?
ズキッ?
「壱哉君に会うの、久しぶりなんですよ!楽しみだなぁ」
浮足立つ有村さんとは逆に、カフェへ近づく度に足取りが重くなっていく自分に気づいた。
私……。
篠宮と有村さんが会う姿を見たくないと思ってる。
ズキズキと胸が痛みだす。
だけど、どうする事もできなくて。
無情にもカフェが見えてくると、先に到着していた篠宮が入口前で待っていた。
私達に気づいた篠宮と視線が合う。
ドキン、と胸が鳴った。
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