崩れる

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何、この余裕の表情! やっぱり私だけがすごーーーく篠宮の事を意識してるみたいじゃない! 「気になるわよ!GENIC(こっち)は有村さんと契約があるんだから! 揉め事で契約破棄になったら大問題だから、絶対にやめてよね!」 2人を気にする理由を正当化して釘を刺すと「分かってるよ」と言ったから、ホッと胸を撫で下ろした。 おいおい……。 ホッ、って何よ…。 めちゃくちゃ安心してるじゃん、私。 仕事をダシにして「有村さんと関係を持たないで」と言った私は、ただの嫉妬深い意気地なし。 何やってんの、私……。 思ってる事と、言ってる事がめちゃくちゃ。 うまく纏まらない自分の感情にげんなりする。 「そういえばさ、今度文香と篠宮が教えてくれたワインバーに飲みに行く事にしたよ」 自分の言動が恥ずかしくなって、思いっきり話題を変えた。 「あー、お前が大号泣して本性丸出しになった店ね」 「言い方」 「あの店の思い出は、もうそれしか出てこない」 「気に入ったら川田と行けば?って言ってたから伝えたのに、言わなきゃ良かった」 じとっと篠宮を睨むと、アハハと笑われた。 「また、俺らも飲みに行く?」 えっ……? サラリと言う篠宮。
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