嘘だらけの恋

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トイレに駆け込み、扉を背に持たれかける。 じわりと涙が目に浮かぶけど、こぼれ落ちないように、下瞼を指でなぞる。 自分が恥ずかしい。 そもそも、こんな関係になったのは全て私が甘えたからで、篠宮からアクションがあったわけじゃない。 ──来るものを拒む理由もないし。 そう言ってたのに、勘違いしてしまったのは私。 楽しかったから。 優しかったから。 分かってくれる気がしたから。 私だけを見て欲しいとか、独り占めしたいとか、好きだからそんな気持ちが大きくなってしまった。 「…バカみたい」 昨日から、ずっとこんな事思ってる。 それなのに、心というものは簡単に変えられない。 篠宮とつき合う為には、こういう事を乗り越えていかなきゃいけないのかな。 それに私は耐えられるのかな。 それって、幸せなのかな。
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