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「……確かに朝起きたら、優希ちゃんがいたけど、何もない」
目の前が、真っ暗になる。
ヤバい、泣きそう。
ぎゅっと唇を噛み締めて、目一杯わざと口角を上げる。
覚悟はしていたのに、いざ認められるとかなりキツイ。
「須田が呼んだのが優希ちゃん達で、一緒に飲んでたけど、途中から泥酔して…」
「うん」
「須田達が送ってくれた時に、心配だから優希ちゃんが一緒にいるって言い張ったらしくて…」
「だったら最初からそう言えばいいじゃない」
鼻で笑って、篠宮の言葉を遮る。
だから最初に聞いたのに、嘘つき。
もう今さら、信じられない。
「こんな風に勘違いされると思ったんだよ」
「だから嘘ついたんだ」
篠宮は反論も出来ず、表情を歪める。
矛盾してるけど、わざわざ誤解を与えるような事を言わないのも分かる。
だけど嘘をつかれた不信感は拭えないし、記憶もないのに、どうして何もないって分かるの?とか、篠宮を信じられない気持ちが、どんどん大きくなる。
どうすれば良かったんだろうね。
どうしてこんな事になっちゃったのかな。
感情がグチャグチャで、私もどうしていいのか分からないよ。
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