ありのままで

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あぁ、もう。 これはきゅんと来るヤツだ。 顔を上げると視線が絡まり、自然と目を閉じる。 とろけるようなキスと、まどろんだ甘い空気。 篠宮だから頼りたいし、篠宮だから触れたいし、篠宮だから満たされる。 幸せ……だな。 これからもケンカもするだろうし、うまくいかない事もあるだろう。 だけどこうして素直に気持ちを伝えて、仲直りして……篠宮の事を大切にしたい。 この湧き上がるシンプルな気持ちを、大切にできたらいいな……。 だんだんと深くなっていくキスに応えるように、篠宮の首に腕を回すと、押し倒されるようにずるりとソファーに沈んでいく。 まだ濡れている髪の毛の隙間から見える目が艶っぽくて、いつもは見せない魅惑的な表情を誰にも見せたくないと思った。 「そんなに甘やかされたら…離れられなくなるよ?」 そっと囁くと、愛おしそうに私を見つめながら口角を上げる。 「いいよ」 フッと笑った彼は嬉しそうで、また唇を塞ぐと、私を甘美な世界へ連れて行く。 彼の重みを心地いいと感じながら、愛しいという気持ちが止められなかった。 心も体も篠宮と繋がったと感じた、甘い甘い夜だった───。
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