女帝の格言

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「こないだはありがとう」 さっきは言えなかったけど、小声で微笑んだ。 「いい夜だったねー。 及川さんの裏側も見れたし」 まだ私の弱みを握っている篠宮は「ね?」っと意地悪な顔をして笑う。 ……………弱み? ──及川が弱さを見せる事が出来るなんて、心を開いてる証拠でしょ? いやいや、違いますよ。関谷さん。 泣いてしまったのは、罠にかかったから。 この人は下剤ですよ、下剤! さっきの関谷さんの言葉がなぜか浮かび、1人ツッコミをして納得した。 だって篠宮は"鎮痛剤"とは別ジャンルだから、関谷さんの言う意味合いとは少し違うはずだ。 「お陰様で元気になりました」 「うわ、さすが。クールだね〜」 「職場なんだから当たり前でしょ! わざわざからかいに来たの?っていうか打ち合わせは?」 ニッコリ余裕の微笑みを作ったのも束の間。 小馬鹿にされたから、つい詰め寄った。 「少しだけ席外すって断り入れてきた。 連絡先教えて?」 えぇ? それだけの為に来たの? わざわざ、私の連絡先を知る為に? どうして…… 「口止め料思いついた時に連絡できないだろ?それとも内線で電話しようか?こないだ号泣した件で…」 「分かったわよ!」 ちっ! またからかわれた! ニコッと可愛く笑うけれど、発言は全く可愛くない。 悪徳業者にしか見えなくなってきた。
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