4318人が本棚に入れています
本棚に追加
恋人ごっことは…何なのだろう。
とりあえず名前を呼ぶ事は分かった。
だけど、期待って何?
「期待って何ですか?」なんて迂闊に口走った日には、篠宮は目を輝かせて無理難題を言うに違いないから、口が裂けても言ってはならない。
もー、いつもの如く何を考えているのかサッパリ分からない!
完全に弄ばれてる!
─好きな子には絶対イジワルするタイプだわ。
「はっ!」
「どうした?」
関谷さんの言葉が突如浮かび、思わず声を上げてしまう。
篠宮がチラッとこっちを見たから、目が合ってしまいギクリとする。
「なんでもない」
「いつまで眉間に皺寄せてんだよ」
ハハッと眉を下げて笑われる。
……いやいや、そんなバカな。
今までの数々のイジワル…。
冗談か本気か分からない事は、篠宮は誰にでも言ってるし。
私が特別な訳じゃない。
それこそ、遊んでる女なんて沢山いるんだから。
最初のコメントを投稿しよう!