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リビングへ向かうと、新聞を広げていた父親がチラリと麻衣を見て、眉根を寄せた。
「麻衣……、スカートはもう少し長くはならないのか?」
「んー? 切っちゃったから無理!」
「切っちゃったかぁ……」
麻衣の言葉に父親は軽く頭を抱えている。
「姉ちゃん、顔、怖い……」
「雄太~? そう言うこと言ってると、食べちゃうぞ?」
麻衣は五歳下の弟、雄太へ両手を挙げて、威嚇のポーズをする。
「はいはい、二人とも。じゃれてないで早く食べちゃって」
母親に言われた麻衣は雄太の前の席へと座ると、用意して貰った朝食を食べる。キッチンでは母親がせわしなく動いていた。
(お母さんって、朝から大変なんだなぁ……)
麻衣はそんなことを漠然と思いながら、朝食を平らげていくのだった。
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