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結局僕は、あの日彼女が墓苑で見せた表情に、やられてしまったのだ。それはもう、認めるしかない。
参ったなぁ……
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「亜里沙、もし僕が再婚したら……どうする?」
帰宅して、スマートスピーカーの「亜里沙」に、僕はそう問いかけてみた。
やけに時間をかけた後、「彼女」はようやく応えた。
『質問……の意味が……分かりません……もっと具体的に……表現……してください』
想定の範囲内の応答。だが……なんでこんなにたどたどしい話し方になったんだ?
まさか……「彼女」が動揺している?
そんなことがあるはずがない。これは単なるスマートスピーカーなのだ。亜里沙本人ではない。だけど……それにしてはちょっと挙動がおかしい。どうしたんだろう……
その理由は、翌朝に判明した。
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