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「おはよう、亜里沙」 『おはようございます。今日の天気は、曇りのち雨。降水確率は……』 「!」  愕然とする。  それはいつもの応答だったが、声が違う。女性の声だが、亜里沙じゃない。  これは……スマートスピーカーの、デフォルトの声じゃないか…… 「どうしたんだ、亜里沙、声が違うぞ?」 『質問の意味が分かりません』  相変わらず、亜里沙じゃない声で「彼女」が応える。パニックになりかけたが、すんでのところで冷静さを取り戻した僕は、質問を具体的な内容にしてみる。 「亜里沙の声に戻す方法を教えて」 『すみません。よく分かりませんでした』  ……。  再び、僕はパニックに陥りかける。  その時だった。  スマホにメールが着信する。差出人は……亜里沙が使ってたアドレス? 件名は……「(ひろし)さんへ」……  矢も楯もたまらず、僕はそのメールを開く。そこにはこう書かれていた。 ---
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