3

4/5
前へ
/19ページ
次へ
 宏さん  お久しぶり。亜里沙です。このメールが届いた、ということは、再婚に対して少しは前向きになれたのですね。  そうなったら、私の役割も終わりです。だから私は、あなたが「再婚」を(ほの)めかすような言葉を口にしたとき、このメールを発信して、スマートスピーカーから私の成果物を全て消すようにプログラムしておきました。 --- 「うわああああああ!」  スマホを放り投げて、僕は絶叫する。  そうか。昨日のスマートスピーカーの不審な挙動は、バックグラウンドで彼女の声とかを消去していたからだ。だから動作が重くなったんだ……  なんてことを……僕は、なんてことをしてしまったんだ……  軽い気持ちだった。単に、いつものように会話するつもりで「再婚」というキーワードを口にしただけだ。もちろんこの手の質問に「彼女」がまともに応えることはないと分かっていたが、こういったことは口にするだけでも心がすっきりする。決して本気で再婚を考えていたわけじゃない。それなのに……  ひどいじゃないか……なんでそんなトラップを仕掛けたんだよ、亜里沙……  本気じゃなかったんだ。僕は再婚なんかしないよ。だから、戻って来てくれよ……頼むから…… ---
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加