24人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの……、マッサージをして欲しいんですけど……」
「は?」
「あのね、なんだか胸が張って痛いの。こことか特に」
そう言って私の手を脇下の柔らかい膨らみに添わせた。
自発的に触ったその場所は確かに筋肉が張っている様な弾力があった。
「んっ」
ビクリと体を震わし小さく声を出した。誘っているとしか思えないが、今はそれ以上に頭を占める事がある。
「もしかして乳がんじゃないでしょうね!?」
「えぇ? 違うと思うけど。自分で触った感じしこりも無いし、たまにこうして痛くなるの。日にちが経つと納まるんだけど、やっぱり痛いし」
「本当に? 本当に胸が張ってるだけなんですか? よくある事なんですか?」
不安で胸が締め付けられる私とは真逆で彼女はケロッとした顔をしている。
「茜ちゃん心配し過ぎ」
ケラケラと笑い出す始末。人が心配しているというのに……。だけど、この態度だ。いつもの事なのだろう。
「なら、いいですけど」
私は彼女のお願い通り、私の手からはみ出るほどの胸を優しく触った。
「痛っ」
全く力を入れていなかったのに彼女から小さく出た言葉に咄嗟に手を離した。
「すみません! 痛かったですか!? 全然力は入れていないつもりだったんですけど……」
「ん、痛気持ちいい? 大丈夫だよ。でも優しくしてね?」
へへっと笑って彼女はそう言う。
最初のコメントを投稿しよう!