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夜の街
サキ。
ナニ?
あのおばさん最近しつこくない?
まぁね…けど、そのうち何とかするわ.だから、またくれない?
そう言って、サキという女がもう一人同世代の娘に何かをねだっていた。
ち、仕方ないわね?
うんざり気味にそばにいた娘は、彼女の手に丸めた何かを手渡した.
それにしても…。あのおばさんナニ考えているのかしら?
あまり、深入りしすぎない方がいいんじゃない?
そうもいかないのよ。私だって生活かかっているし、結構真剣なんだよ.
呆れた、と言わんばかりにそばにいた、娘は顔をしかめた。
あのさ、あんたにいいたいんだけど?
ナニ?
そんなことやってるとろくな将来迎えないよ?私だって、こんな事真剣になんか、してないから。ほんの気楽な道楽だと思ってる。
それを聴いたサキの方が今度は顔をしかめた。
あんたさ、それマジで言ってんの?
マジ。
…。
"アンタに言われたかないわよ"
サキは、その娘から受け取ったモノをズボンのポケットにしまい、じゃね?と言って、席を立とうとした。
ねぇ
呼び止める娘にサキは、やれやれと思いながら、彼女の手を握り、そしてそっと、唇にkissした。
"アンタだって、同じだろ?"
20分後、カラオケBOXから、出てきたその娘は、夜の喧騒の中に消えていった。
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