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かりそめのエピローグ
私は甘かった。この世界を本当に救おうとしていた。だが、私は何の為に生きるのか?一体これから私はどういう目的を持ち、世界とcommit、つまり、関連性を持って関わって行きたいのか?そのヴィジョンが見えずにいた。どう、世界の人々と絆を紡いで行くのか?私はこの世界をそもそも、愛していない。自分の心地の良い世界ではないからだ。変わらないと嘆き、放棄し、諦めていた。自分の許せない問題に対して、見て見ぬフリをする、無関心な、どこにでもいる普通の人に成り下がろうとした。その方が容易いから。たしかに、無能な人間に対してつける薬はない。頭のおかしい人間に対して、いちいち構っていては、埒があかず、自分の精神が摩耗していくだけだろう。スルーする必要があるし、そのスキルがなく、私は全てに対して、聴き耳を立ててきた。それは本当に自分の望んでいる事ではなかった。私は、寛容な姿勢を持ちたいと思えない。逆にあまりにも他人を赦しすぎた事に憤りを覚えだした。私は自分のその優しさが自分の引き金ではないか?と疑う。凄く不愉快だ。そんな、"どうでも"良い人には、なりたくない。出来るならば、社会に望まれる必要な人でありたい。ならば、その願いを叶えるには、自分の抱える怒りを、言葉にするべきではないだろうか?恐怖に怯んだ時にいつも、私を生かしたのは、モノ言えぬ弱者の自分ではなく、誰に対しても臆する事なく、間違った事に対しては、モノ言える自信に満ち溢れた、自己であったからだ。私は、とんだ勘違いをしていた。闘いはまだ、終わっていない。真の平和は、恐怖はまだ、消える事なく生まれ続けている。この間違った世界を、赦すつもりはサラサラない。
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