1、強い女は好きですか

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私は家から帰宅して真っ先に風呂場へ直行した。身包みを全て剥いだ瞬間が何よりも快感だった。誰にも見られていないその裸体を鏡で見たその瞬間が堪らず好き。 見事に引き締まった筋肉。そして六つに割れた見事な腹筋。服を着ていた外観から程遠いその身体はまさに私の真の姿である。筋肉質で可愛いとは無縁の体格が写し出されている。 「相変わらず良い身体しているな。私」  鏡に映った自分に惚れ惚れするのも好きである。でも、こんな姿は誰にも見せられない。だから服は身体のラインが出ないようにブカブカのワンピースやパーカーを着ることが多い。それでも女の子らしい服装は意識している。あくまでも外観は弱者で品のある女の子を演じている。このような身体を第三者が見たら誰が女の子に見える? 身体だけ見れば間違いなく男。 それが嫌で私は見た目を変えていた。守ってもらわないとダメな女のように。 見た目とは人を欺く要素の一つに過ぎないのだから。 それ以前にどうしてこのような身体に仕上がっているかと言えば理由は勿論ある。 実際の私は鍛えることで快感を得ている。当然、この身体に仕上がるまでには多くの時間を費やした。来る日も来る日も身体を痛めつけていた私は力が漲っていた。 身体を動かすことが好きな私は強さを求めていた。だからあらゆる格闘技を身に付けた。
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