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プロローグ
人が、疑心暗鬼に駆られるには色んな理由があると思う。
それが、恋愛に関するものであるならば、経験などによるものが多いのかも知れない。騙された経験や、裏切りによるもの。恋愛は一人でするものではなく、二人でするものだ。互いのすれ違いは、話し合いで解決することも出来るだろう。
しかし、元より騙すつもりであるならば、そのようなものは通用しない。
浮気をする人は、病気だという事を聞いたことがある。その詳しい内容については忘れてしまったが。
もし愛する人がいて、その人がとても誠実であり、一途であったとしても信じることが出来なかったなら、あなたはどうするだろうか。
浮気をするわけでもなく素直に愛を伝えてくれるのに、信じることができなかったなら。そして信じられない理由が経験などによるものではなく、心理学や言動の推理によるものだとしたなら?
どんなに想いを伝えあっても温度差が無くならず、苦悩し続ける自分。相手が悪いわけではない。だからこそ、辛い。
出口のない迷路を彷徨い、どんな答えならば納得するのかもわからずに。ただ、暗く複雑なその道を行ったり来たりする。いつか出口は見つかるのだろうか。それとも、突然の終わりがくるのだろうか。分からないままに、歩き続ける。
悲しませたいわけではない。彼女が嘘をついてるわけでもない。人には、性格があって行動が決まるもの。そこに矛盾を感じ、違和感という形で心につきささる。それが気遣いだという事も理解したうえで、疑心暗鬼に苛まれる。このままではいけないと何度思ったことだろう。このままではいつか失うと理解しながらも、どうにもなりはしない。
Do you really love me?
暗闇に向かって問いかける。何度言葉で受け取っても、君の心が分からない。君が嘘をついているのではない。俺が理解をすることが出来ないのだ。その言葉の根拠は何処にあるのだろうか。
何処が好きなのか、どうして好きなのか、理由を聞いても理解することは出来ない。いや、そうではない。納得が出来ないのだ。
Why did you choose me?
誰が誰を好きになろうとも、ケチをつけることはオカシイ。ニンジンの好きな人に、ニンジンを好きなのはオカシイと言っているのと同じだからだ。
頭では理解している。
しかし、どうして俺だったのだろうか。ずっと心の中に引っ掛かっていて、何度説明されてもやはり納得がいかない。ならば、なぜ納得がいかないのであろうか。
理由を考える。それはきっと、質問が間違っているからだ。欲しい回答ではなく、欲しい質問が見つからない。
Where is what I'm looking for?
─── 見つけるのは答えではなく、質問なのだ。
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