時を戻そう

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時を戻そう

はっ! これは……。戻っている。恐らく2年前に戻っている。何故なら、青年の母親が生きている。良かった……。これで良いんだ。余計な事はしない方が良い。 それから、毎日知っている日が続いた。人間界も天界も全く同じように日が進んでいく。そして……。 「やあ、あんた。ボクシングに興味はあるかい?」 「キックボクシングなら興味があるな」 その後、同じ展開になり、私は再びあの青年を選んだ。だが、開花の能力は使わなかった。当然、チャンスの神が選んだ選手が直ぐ世界チャンピオンになり、続いて筋肉バカの神が選んだ選手が世界チャンピオンになった。そして、青年は……引退した。最高成績は国内8位。だが、これで良い。青年の母親も元気に暮らし、青年も彼の妹も結婚して幸せに暮らしている。世界チャンピオンになる事だけが幸せでは無い。彼のような素晴らしい人物なら、これから何度も幸せを感じる出来事が待っているだろう。 私は青年の家の近くに白いスイートピーを1輪だけ咲かせた。彼の新しい生活が成功する事を願って……。
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