ぼくの将来の夢

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
宇宙とは、ある箱の中に作られたものである。 それは僕らのような子どもが大切にしている宝箱かもしれないし、ある研究所で日夜研究されている大事な箱かもしれない。 いずれにせよ、僕らが住んでいる世界とは別の世界の人が持っているのだ。 そして、そこには無数の星が浮き、その中のひとつが地球。 箱を持つ人と似た世界なのか、違う文明を持つ世界なのかはわからないが、意図的に生命体を地球へ作り出したのだと思う。 もしかしたらそれは僕らの時間では何万年、何億年も前のことかもしれないけれど、彼らにとっては何年か前か、数分前かもしれない。 そして、宇宙が広がっているという説はきっと、箱の持ち主が蓋を開けた瞬間に中の宇宙が少しずつ外に漏れ出たのを感知してできた説なのだと思う。 そして、ここからが重要な点だ。 僕は、この箱は幾重にも存在すると考えている。 僕らの住む世界にもこの箱を持っている人物がおり、もうひとつの宇宙が誕生する。 反対にこの世界の箱を持っている誰かの世界もまた、誰かの箱の中なのだ。 まさに"フラクタル"ではなかろうか。 きっとあのアニメの原作を書いた人は、僕と同じ理論を持っているだろうな。 僕はこの理論を現実のものとするためにも、将来は宇宙飛行士になって、宇宙の果てに行く。 そして、箱を開けた瞬間を逃さずに、持ち主に会うのが夢だ。 これにて僕の小学校卒業記念文集を閉幕とする。 ……将来の夢、小説家もありかもしれないな。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!