マイペース

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マイペース

私には2人の友達がいる。 1人は無口だと思われているおとなしい女の子。 この子は決して無口なわけではない。 ただ、きちんと考えてから発言するから、時間がかかってしまうだけだ。 他の人にはその時間が長く感じてしまって、発言する前に去って行ってしまう。 しかし彼女はあまり気にしていないようだ。 みんな流れてる時間が違うのよ、きっと。 と言って。 もう1人の子は、妄想癖があると思われていて、思ったことを何でも口にしてしまう男の子。 小さい頃から私たちには見えない何かが見えている彼。 ただでさえ孤立しているのに、見えたものやふとその時思ったことをそのまま口にしてしまうから、尚更孤立してしまう。 しかし彼はそんなこと全く気にしていない。 この2人の友達である私は、 本当にこの2人と同じ時間、同じ世界にいるのだろうかと思わされる。 この2人じゃなくても、思わされるのではないだろうか。 だってそうでしょ? マイペースっていう言葉があるのは、一人ひとりの時間が違うから。 個性があるのは、一人ひとりの世界があるから。 この地球上に同じ時間、世界を生きる人は一人もいないのだ。
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