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「藤映、不安にさせてごめん。俺は藤映しか見えないし、藤映が誰よりも大切だよ」
「もう、あの子とは会わないで……」
「うん」
「私からしょーくんを奪うために、わざわざああいうことしたんだと思う。例えしょーくんにその気がなくても、そういうことをするような女の子に会ってほしくない」
「分かった。もう会わない」
思えば藤映が俺に嫉妬することは過去に何回かあったけど、藤映こそ他の男子から何度も言い寄られていたに違いない。準ミスを受賞した時だって、男女ともに連絡や声掛けが多かった。こんなに魅力的な人なんだから、俺から奪おうと行動に出る人もいたかもしれない。なのに俺は、今日まで心配も不安も抱かず藤映と一緒に過ごしてこれた。それは、藤映が俺のことを気遣っていつだって安心していられるように配慮してくれていたのかもしれない。
それならば尚更今回のことは俺に落ち度がある。
絶対にもうこんなことは起こさない。絶対にもう藤映を傷つけない。たとえこれが他人から「依存」だと見えるとしても、ちゃんとお互いを愛しているんだからこれでいい。
「……やっぱり、しょーくんの声、落ち着く。好き」
「俺も藤映が好きだよ」
この出来事から二ヶ月後の藤映の誕生日、俺は予定通り藤映に結婚を申し込んだ。藤映の答えは言うまでもない。
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