アホシリン

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「待たせてすまない。どうだ? 効き目は」  戻ってきた教授は、俺がすでにアホシリンを飲んだと思いこんでおり、期待のまなざしを向けた。 「さあ、まだなんとも」  俺のアホみたいな回答に、 「効果はすぐに出んようだな」  と教授はコーヒーを口にした。  数日後。教授はアホシリンの開発を中止した。  その理由を尋ねると、教授は諭すように言った。 「昔から言うだろう? アホにつける薬はないって」
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