僕の家には猫がいます

4/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 ほとほと困った僕はスマホで近くの動物病院を検索してみた。すると、徒歩で10分のところで診察もまだしている病院をみつけた。これは行くしかない。僕は小型のダンボールにタオルを敷いて、その上に子猫をそっと乗せた。あとは、この箱を病院まで運んで行けば獣医さんがなんとかしてくれる。そう思って僕は箱を手に玄関のドアを開けようとした。  玄関の鍵は開いているから、ノブを回して押す。そうすれば簡単に外に出られるのに、僕は出ることができなかった。扉が全く動かないのだ。何で、何でと僕は意味が分からなくて混乱した。さっきまでは普通に開いたのに。渾身の力を込めて扉を押してもびくともしない。  ゼイゼイと息があがってきた。一旦、僕は呼吸を落ち着かせる。子猫の箱を玄関に置いて扉に再度挑むと、今までびくともしなかった扉が嘘のように開いた。完全に開けて固定したドアに向かって今だと箱を持って脱出しようとすると、謎の強風が吹いて家の中に戻される。何度も試したが、どうやら子猫はこの部屋から出られないという結論に行きついた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加