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「おい、お前ら黙れ」
シーン
「フッ、いい子だ」
はい。でましたー。イケメンの殺人級の笑顔。
先生、あんたのせいで鼻血ブッシャーしたり、トイレに駆け込んだりする生徒が続出してクラスの半分いなくなったんですが。
また残ったクラスメイトたちも、担任をうっとりと見つめて、
「風音様ーーーーーー!好きでーーーす!!!!」
「風音様!!!!抱いてくださいーーー!」
「風音様!!!こっちみてくださいっ!!!」
「風音様風音様風音様風音様風音様風音様。」
「ブッシャアアアアァ(鼻血の音を表したつもり)」
と目が語っている。いや、目で語る能力高すぎくんじゃん。
嫌な気分が吹き飛んだが、嫌な気分になった。
『はぁぁ〜』
「おーい。美園はまず遅刻したことの謝罪しろ」
『……すみませんでしたー。』
「ったく。初日から遅刻とかお前もうちょっと真面目に生きろよ……」
『どの口が……((ボソッ』
「あぁ?なんだ?」
『いえーーなんでもありませーん(棒)』
「ぷっ……くくくふふふふ……」
『っだー!!お前はいちいち笑うなよ!そもそもお前が起こさないから……』
「普通は自分の力で起きるもんだろ?www」
ぐうの音も出なくてさらにムカつく……。
しょうがないじゃん!朝は弱いんだよ!
俺は目の前でニヤつく瑠斗と、呆れ顔の潤に見つめられながら、ムカムカする気持ちを何とか抑えて席に着いた。
俺の担任は久坂 風音といい、髪はしっかりと金髪に染め上げられ、前髪はかきあげられている。
だるそうな雰囲気もチワワちゃんたちを喜ばせるものらしい。
さらに、ネクタイは白、シャツは赤、オマケにジャケットは黒ときた。
もうホストやれっ!
そしてこの先生………節操がない。
毎日放課後に数学準備室に生徒を連れ込んでヤっている。
おいおい。いくらなんでも教師だろなんてセリフはこの学校には通用しないのだ。
この学校にはそんな先生はいっぱいいる。もはや当たり前で、シてない人が珍しいくらい。
だってここは、そういう世界………………。
俺もたった1年しかまだこの学園にいないのに、同性に告白されるわ、騒がれるわ、強姦されかけるわ、もうかなり馴染んでしまっている。
あー。俺も結構この学校に毒されてるかも……。
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