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「ちっ。無くなっちまった。ちょっと酒買ってくっからおとなしくしとけよ。」
そう言い残すと、バタンと扉を閉めてママさんは部屋を出ていった。
部屋の中は真っ暗。ママさんが部屋を出ていく時はいつもこう。
電気が点いていると、誰かが居るって疑われるからだって。
真っ暗でシーンとした部屋に一人で残されると、とても不安な気持ちになった。
このままママさんが帰って来なかったら、鎖で繋がれて何処にも行けない私は、飢え死にしてしまうかもしれない。誰にも見つけてもらえないまま、腐っていくんだ。
そんな事を考えてしまうからだ。
真っ暗な中、微かな光を感じて、窓の方に目を向けた。
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