*嫌がることはしないから

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「ねぇ、菜乃香(なのか)。――さすがにそんな格好でしがみつかれたら、我慢できなくなるんだけどな……?」  ふっ……と溜め息混じりに眉根を寄せられて、私は慌てて彼から離れる。  けれど、それと同時にベッドへ押し倒されていた。 「お、がわ……さ……っ!?」  横たわった拍子にブラがずり上がって、胸の膨らみがホロリと(まろ)び出る。  それを隠そうと咄嗟に持ち上げた手が、そっとベッドに縫いとめられて。 「隠さないで?」  懇願するように強請(ねだ)られた私は、どうしたらいいのか分からなくなる。  緒川(おがわ)さんは私の嫌がることはしない、と約束してくれた。  だったら今の状況は……どうなの?
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