*嫌がることはしないから

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 まるで一部にだけ神経が集中しているかのような感覚をもたらす私の中の〝そこ〟が、俺には分かっているんだよ?って言われているみたいな触れ方をされて、私は目端に浮かんでくる涙を抑えることが出来なかった。 「もっと、奥にも同じくらい気持ちいいトコロがあるんだけど……ごめんね。指じゃあ届きそうにない」  それは暗に〝指以外〟でなら届くのだと(ほの)めかされているようで。  入り口付近の気持ちいい場所と、外で固く勃ち上がっている小さな突起、それから胸の頂をふしくれだった手指で同時に責め立てられた私は、頭の奥がじんと痺れて麻痺していくみたいにボウッとしてきてしまう。  お酒の効果も手伝ってか、身体の中がじんわりと熱を帯びてきたのが分かった。  ――もっともっと気持ち良くなりたい。もっともっと何も分からなくなるくらいこの人に乱されてみたい。  そんな動物的な感情に突き動かされるみたいに、ギュッと緒川(おがわ)さんの腕に縋り付く手に力を込めると、 「――もっと、感じたい?」  と、まるで全てを見透かされたみたいに耳元で低く甘く(ささや)かれて。 「……欲し、ぃです……っ」  いけないことだと分かっているのに、私、その時にはもう、そう強請(ねだ)らずにはいられなかった。
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