*嫌がることはしないから

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 途端、緒川さんが「了解」とつぶやいて、私を仰向けにすると、膝裏(ひざうら)をギュッと抱え上げるようにして自らの肩に載せて両足を押し開いてきた。  人差し指と中指でクチュクチュと膣の中をかき混ぜながら、器用に自分自身に避妊具を装着した緒川さんの固く猛々しいものが入り口にあてがわれたのを感じた瞬間、私はまるで不義の罪から逃れたいみたいにギュッと目を閉じて。  緒川さんの体重が身体に伸し掛かるのと同時。  深く深く内壁をこじ開けられていくのを感じて、堪らなく切ない気持ちで満たされる。  久しぶりだったからなのか、それとも以前付き合っていた人とは形が違うからなのか……。  まるで初めてみたいに固く閉ざされたそこを押し開かれていくような圧迫感に、私はとうとう越えてはいけない一線を越えてしまったのだ、と嫌というほど自覚させられた。 「あっ、……おが、わ、さっ――!」  ギュッと彼の首筋に腕を伸ばしてしがみ付きながら、この人と一緒にどこまで堕ちていくんだろう?ってぼんやりと考えて。  でも、そんなのも束の間――。  今まで感じたことのないような快楽の波に翻弄(ほんろう)されて、私は何にも考えられないただの肉の塊になる。  そうなりながら、この人のことが好きで好きで堪らないと感じている自分に気付かされて、私はきっと、この不毛な恋からもう抜け出せないんだ、と嫌と言うほど思い知らされた。
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