*直太朗

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「いい、よっ。……だからお願ぃ、一緒にっ」  胸に伸ばされたなおちゃんの手をギュッと握って懇願(こんがん)して――。 「菜乃香(なのか)っ」  なおちゃんがそれに応えるみたいに甘く掠れた声で私の名前を呼んで……。私たちはふたり一緒に昇り詰めた。 *** 「で、えっと……ペット可がどうのって話だったっけ?」  汚れてしまったお湯は落として、シャワーで身体をササッと流して。  私の頭を優しくタオルドライしてくれながら、なおちゃんが言った。  そうだ。  私、お風呂の中でその話をしようとしてたんだった。  ついなおちゃんとの行為に夢中になって、忘れてしまうところだった。 「うん。……あのね、このアパート、生き物OKなの。それで、せっかくだし――」  うちの実家では、ずっと何某(なにがし)かの生き物を飼っていることを、なおちゃんは知っている。  かつては猫の他にハムスターやセキセイインコを飼っていたこともあるって話したことがあって。
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