*直太朗

8/9
前へ
/278ページ
次へ
***  お迎えするにあたって、私はフェレットを診られる動物病院をあちこち探して。  予防接種なら出来ますよ、と言ってくれた市内の小さな動物病院を、とりあえずの主治医に定めることにした。  それとは別に、副腎腫瘍の罹患率(りかんりつ)が高いことを知っていたから、もしもに備えて手術をしてもらえる病院を県外に見つけて。 「なおちゃん、この病院まで私でもたどり着けるかな?」  その病院のホームページをスマホで見せたら、なおちゃんが「今度一緒に行ってみようか」って言ってくれた。  診てくれる病院を確保してから、私は目星をつけていたセーブルカラーのパスバレーファームのフェレットの男の子を、空輸でお迎えした。  フェレ飼いの間ではパスっ子と呼ばれているファームの子。  フェレットを専門に扱っている小さなお店のホームページで見つけたその子に、一目惚れしていたの。  準備が整うまでよその子にならないでいてくれたことを、私、心の底から感謝した。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

675人が本棚に入れています
本棚に追加