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翌日オレは、パソコンを処分し、代わりに新品のパソコンを購入した。これで今日から静かな夜を迎えることができる。そう思っていたのだが――。
カタカタ
カタカタカタ
カタカタカタカタ
深夜1時。パソコンが勝手に起動している。そして例によって聞き慣れたキーボード音が静かな部屋に響き渡る。
マジかよ……。
半ばうんざりしながら起きあがると、画面いっぱいに水無月蝶子からのメッセージが打ちだされていた。
パソコン新しく買ったんだ?
やる気満々じゃないですか。
さあ、ぼくの代わりに小説を書いてください。
あなた、なんにもわかっていないようだから言いますけれど、こうなったのは全部あなたのせいですよ。
あなたが無責任に褒めたりするから。
その気もないくせに応援したりするから。
心にもないことを言うから。
ぼくだってバカじゃないんですから、自分に才能がないことくらいわかっていましたよ。
でも、褒められたらその気になるじゃないですか。
そうでしょう?
あなたが悪いんです。
あなたのせいですあなたが褒めるからあなたが応援するからあなたがそそのかすからあなたがぼくを騙したんだあなたは悪い人だあなたは詐欺師だあなたが読者にさえならなければ――
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