王道転校生

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「此処からは噂からの憶測だが、どうやら彼はかなりの暴君らしい。自分の思い通りにいかないことをこの上なく嫌う。特別扱いしろとまでは言わないが、多少目にかけておいてくれ。学園との亀裂になりかねない」 「ハハッ、暴君なら珍しくもねぇじゃねぇか。現にそこのオヒメサマなんかヒステリック超えて独裁者だぜ?」 男が俺を指差して嘲笑う。 ムッカつく野郎だなぁ〜〜。 ポケットから新しく取り出したキャンディを指先で弄りながら小さく舌を出して皮肉を言ってやる。 「最高の褒め言葉を有難うございますぅ。けれど貴方も俺にかしずいてくれたでしょ?御行センパイ♡」 「.....おい。過去の話は止めろっつっただろ。殺すぞ」 「やんやん。こわぁい」 チッと男が舌打ちして会話を終わらせる。目の据わってきた会長を気にしたらしい。 御行孝成。体育委員会委員長、兼弓道部主将。 傷んだ金髪とゴツいピアスが特徴のザ・不良。 見た目によらず利己的で冷静な彼を俺はそこそこ気に入っている。 キャンディの包み紙を剥いでそっぽを向いた御行の口に突っ込んでやれば、一瞬眉を顰めるも、好みの味だったらしく彼は何も言わなかった。
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