Chapter.04 SEVEN’s GATE《セブンス ゲート》

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【Act.13】 いやいや……でも、この得体の知れない綺麗顔のデマカセかも知れない。 そうは思うんだけど、チカちゃんに見せられたあの【SEVEN’s GATE(セブンス ゲート)】なる画面のスプレーで描かれた文字。 そして、彼が「忘れ物」と言った【SEVEN’s HEAVEN(セブンス・ヘブン)】のカードに描かれてた文字が、頭の中で【ニアリーイコール(≒)】、つまりイコールじゃないけど、それに近い事を表してた。 その上、泣き顔と笑い顔のドット絵のピエロが、軽やかに舌を出しながら、私の好奇心に乗っかってダンスを始めてる。 「あのカード……」 「ん? 何のカードか知りたい?」 今度は、肩を並べた隣からその綺麗な顔を覗かせる。 顔を覗き込むのはクセなの? それとも、相手の心を読む為? いや……ケントも買わせたい物がある時ほど「ね?」なんて言いながら、私の瞳を擽っていたから……。 もしかしたら【SEVEN’s HEAVEN(セブンス・ヘブン)】って言う会社の社員証? 人相の悪い顔だけど、一応、本人確認は出来るし……。 ここで、ピエロに好奇心を突かれて「知りたい」なんて口走ったら最後「お礼に教えてあげるよ」なんて言われて、訳も分かんない場所に連れて行かれるんじゃない? そんな妄想と言う警戒心を膨らませるのは、今、その好奇心のせいで崖っぷちに立たされてるから! 同じ轍は踏まない!
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