Chapter.04 SEVEN’s GATE《セブンス ゲート》

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【Act.14】 「別に、興味ないです」 敢えて、そのニコニコしてる顔に笑顔を消して言う。 「またまたぁ。 さっきまで、忘れ物なんて知らないって言ってたのに、興味ないですは無くない? しっかりカードだってわかって言ってんじゃん」 意外と人の話を覚えてるオトコなんだ? ……いやいや、感心してる場合じゃなく。 「本当は、興味アリアリでしょ?」 イタズラに笑い掛ける綺麗顔。 内緒話でもするように、私の右頬にその顔を近づけて言う。 ―― 【SEVEN’s HEAVEN(セブンス・ヘブン)】 そう言った横顔を目端で捉えた。 彼のそのイタズラに口端を上げた顔が、笑い顔のピエロに見えた。 人々の好奇心を擽るイタズラなピエロ。 「アレが何処の【キー】なのか教えてあげるから、先にデートしよ」 また、「ね?」と付け足す。 へーえ……【キー】なんだ? 【SEVEN’s HEAVEN(セブンス・ヘブン)】は、やっぱり何処かの場所なのか。 危ない、危ない。 好奇心を刺激するピエロの罠にハマるところだった。 だって、【SEVEN’s GATE(セブンス ゲート)】の笑い顔のピエロは ―― 堕落した快楽に貪られる悪夢を魅せる そんな謂れを持ってるとも言われてる。 「アレが何処の【キー】かなんて知りたくないし、デートもしません」 「えぇー、なんでよ? オレがお礼に助けてあげるって言ってんじゃん」 助けて……あげる? 些か、その意味深な言葉に引っ掛かり、思わず立ち止まった。 「困ってんでしょ?」 そんな私の前に立ちはだかる彼。 笑ったまま、眉を上げて、隙の無い瞳に隙を作るように左右に動かし、少し間を取った後、喧騒の中、私にだけ聞こえるように前かがみになって、こう言った。 「アンケートに答えて貰えなくて……」 確かに、少し遠慮気味に小声では言ったようだけれど、私の耳には、含みを持たせたその言い方は違う言葉に聞こえた。 ―― カモ、捕まらないの知ってるよ? ……やっぱ、このオトコ、新手の同業者じゃないの!?
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