百合小説を書きたい

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朝の目覚ましが鳴り響き、手探りでスマホを探す。 アラームを消し、溜まったメッセージやら、メールやらをチェックする。 それが終わり、一通りの身支度をして、家を出た。 秋を感じさせる雲は空高くにあり、少し肌寒くなって来た。それでも晴れていて、今日は久々に風が止んでいる。 こんな晴天、自然と気持ちも上がる。一駅だけ歩こうと、最寄駅を通り過ぎて、線路沿いを歩く。 私は斉藤柚、大学四年生。内定先は早々に決まり、来年度から社会人だ。卒業論文を書くために大学の研究室へと向かっている。 来年から新生活か。本当に今の内定先でよかったのかな?大学に入る前は小説家になりたいだとか、絵本を書きたいだとか、夢を持っていたけれど。 今はそんな夢なんて無かったかのように日々を過ごして、もうすぐで夢を叶えていたハズの年齢を迎える。 これで本当にいいのかな? 常に自問をするが、肝心な自答はいつも得られない。 こんな事を考えているうちに、一駅をあっという間に歩き終わり、改札を抜け、来た電車に飛び乗る。 駆け込み乗車はお辞め下さい、とアナウンスが鳴る。 私のことか、、と恥ずかしくなり、スマホを取り出した。
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