金魚のふったサイコロと私

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 それから時がたって、また、サイコロの運勢が特に気になる時がやってきた。  今度は、席替え。  誰かの隣がいいとかじゃなくて、単純に後ろの席がいい。  ゆっくりできるから。  というわけで私は、六であることを願って、金魚鉢を上から覗いてみた。  目は一。  うわ、最悪。これは絶対一番前だ。  そう思った。  けど、学校のHRの時間に引いたくじを見てみれば。  なんと、一番後ろだった。  やっぱり金魚のサイコロはあてにならないなあ、と改めて思った。  だけどとにかく、一番後ろになったことは嬉しすぎる。  私はご機嫌で新しい一番後ろの席に向かった。  そんな私がとすっと椅子に座ると頭になんか冷たいものが落ちてきた。  水だった。  え? どこから? と思って見上げると、天井からだった。  つまりは雨漏り。  これは運悪い。  結局私は、雨漏りの位置を避けた結果ぼっち席になってしまった。
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