ショートストーリーズ『手紙』

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 ふと、お世話になった人に手紙が書きたくなった。  まず、机の奥底に眠っていた便箋を引っ張り出した。ファイルにしまっていたからか、白くてきれいだ。  さて、何を書こう。  近くに置いてあったメモ帳にその人との思い出や特徴を洗い流し、それを書き留める。  優しかった、初めて会った時から(素敵な人だ。)と思った、恋愛相談に親身に応えてくれた…  それを書いているうちに、メモ帳がびっしりと埋まっていた。  それを、手紙で書く事柄は何にしようかと、赤ペンで丸を付ける。  時計を見上げる。それを行っていくうちに、1時間かかっていたことが分かった。  ネットで手紙の書き方を調べながら、メモ帳に手紙の下書きをする。  初めて、「前略」の時、締めの部分が「草々」ということが分かった。  それが終わったあと、ボールペンと便箋で清書を行う。ゆっくり、丁寧に。  手紙が書き終わった。窓を見上げると、手紙を書こうと思ったのはお昼ごろだったが、書き終わった時は日が沈んでいた。  それを封筒にしまい、のりを付け、クリアファイルに入れ、鞄の中にしまう。  明日、あの人は喜んでくれるかな。そう思いながら。 あとがき  こんにちは、初めての人は初めまして!こじまなです。  手紙っていいですよね。  それでは、また、次の話で会いましょう!
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