10年後

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錆びたブランコ、 蔓が巻きついた鉄棒、 蜘蛛の巣が張られたうんてい。 土管は無くなっていたが、啓介の目的地は間違いなくここだった。 そこには涼しげな空間が広がっていた。 一歩、公園の中に踏み込むと、キチキチと鳴いて、大きなバッタ───ショウリョウバッタだろうか、が脇の茂みから飛びたった。 砂場の横。 心做しか雑草の量が少ない。 スコップを持って来れば良かったな... ギラギラと照りつける日差しの中、 啓介は、両手を使ってそこの地面を掘り始めた。 しばらくして、お菓子の空き箱が姿を現した。 金属製のボディを持ち上げると、べコンと音を出した。 それは、啓介がちょうど十年前に埋めた、タイムカプセルだった。
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