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10年後
啓介は、急いでパンとバナナを口に詰め込むと、
スマホを手に取り、天気を確認した。 一日中晴れ。
日曜日。
本来ならば昼頃まで眠って一週間の疲れを落とすのだが、今日はそういう訳にもいかない。
ショルダーバッグに必要最低限の荷物を入れ、
家を出た。
念のため、折り畳み傘も用意しておいた。
凄まじい晴れ。
真夏と呼ばれる時期は過ぎたものの、残暑が厳しい。
雲ひとつない。眩しい。
日焼けしたな、これは。
十分歩いて最寄り駅に着く。
二分ホームで電車を待つ。
そこから約三時間、電車に揺られる。
着いた。
改札を定期で突破し、しばらく歩く。
───ここだ。
そこは、古い公園だった。
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