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幾年の月日が穏やかに流れ、俺たちはまたあの日と同じように羽神家を訪れた。人が減った寂しい家の一室で出迎えてくれたのは変わらない少年。
「な……んで……」
「吸血鬼も伝承通り、相手の寿命を伸ばすだけじゃないんだよな。むしろ、相手に合わせて歳を取る変わったタイプもいるらしいぜ?」
「ただいま、そうちゃん。今日からここに住むからよろしくね?」
口を魚みたいにパクパクさせた座敷童子そうちゃんは俺らに飛び付いた。これくらい軽い、軽い。
けれど、愛情は深く重く感じのだった。
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