幽霊の正体見たり

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「今日はありがとうございます。遠路はるば る来てくださって」 「はい、そうですね。引っ越しするのは少し惜しかったんで。自分だけなら其方さんに行けばどうとでもなったんですけど」 「………ああ、すいません。……え、ここですか?曰く付きではないと思いますけど。家賃高いまんまですし」   「ええ、はい……ああ、寝室に」 「……少女の霊が、一人?」 「…………ああいえ、可哀想だなと思って」 「枕元に立ってたの、ほんとは遊びたかったんですかね。悪いことしたなあ」   「ほんとうに、悪いことをした」
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