魔女が住む家

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「まなみは、学校ではどうですか?」 お母さんが椅子に腰を下ろし、尋ねる。 「とても優秀でいい子ですよ。勉強も頑張っていますし、図書委員としても活躍しています。他の先生方からの評判も良いです。」 お母さんが安堵のため息をつく。まなみさんのような良い子の親でも、やっぱり学校ではどう過ごしているのか心配になるのだなとほっこりした気持ちになった。 「ご自宅ではどうですか?」 次は私が家でのまなみさんについて聞いてみた。するとお母さんは視線を逸らし、少し間が空いた後覚悟を決めたように口を開いた。 「あの子、最近変なんです。」 「変、というと?」 私はお茶に伸ばした手を一瞬止めて聞き返した。 「なんだか、私をとても怖がっているみたいで…。最近ではずっと部屋にこもりっきりで…。」 そこで昨日のまなみさんの言葉が頭の中で再生された。 ―「うちには魔女がいるんです。」― まなみさんがお母さんを怖がっているのは本当のようだ。
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