魔女が住む家

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「失礼な質問をしてしまいますが、それはお母さんが何かでまなみさんを怒ってしまって、それから怖がっているのではなく、ですか?」 「いいえ。もちろん時にはまなみを怒ることもありましたが、それは今に始まったことではないですし。それにまなみは家でも大人しい子なので、怒ることは多くありません。」 話によると、まなみさんがお母さんを怖がり始めたのは、今年に入ってから。つまり約五ヶ月前かららしい。 「ある日突然、ご飯も食べようとしなくなって、帰宅したらすぐに部屋にこもるようになってしまって…。」 その話を聞いて、私は学校でのある出来事を思い出した。それはまなみさんが体育をよく休むことだった。軽く身体を動かすことであれば参加できているようだったが、体力の消耗が激しいスポーツは見学することがほとんどだった。まなみさんはもともと体育が苦手と言っていたし、他の人よりかなり体力がないようだった。休みがちなのは問題なのかもしれないが、まなみさん自身に大きな問題があるとは思っていなかった。しかし去年の終わりあたりから、休む頻度が多くなっていった気がしていた。そこにはあまりご飯を食べなくなっていたことも関係しているのかもしれないと、そう感じたのだ。 「本当に突然で、その前に何か原因になる出来事があったわけでもないので、困っているんです。」 大きなため息をつくお母さんを見て、これはまなみさんから話を聞かないといけないと思った
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