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「まなみ‼なんてことするの‼」
お母さんが尻もちをついた状態でまなみさんを叱る。しかしその声はキッチンから響いた物音でかき消された。何か物を荒らしたような音だ。
「まなみさん!突然どうしたの!?」
私はお母さんを立ち上がらせ、キッチンに向かおうとする。するとまなみさんがゆっくり歩いてきた。
「先生にまで手を出すなんて…この魔女め‼」
するとまなみさんは右手を大きく振り上げた。そこには包丁が握られていた。まなみさんは私の方には目もくれず、お母さんの方へ刺しに行こうとする。
「きゃ――――!!!!!まなみやめて!!!!」
お母さんの悲鳴が響き渡る。私は恐怖で固まった身体をひっぱたき、横を通り過ぎようとしたまなみさんの両腕を捕まえた。
「まなみさん!やめなさい!」
私は右手に握られている包丁を離させようと必死に力を込めた。しかしまなみさんは信じられないほどの強い力でそれを阻止しようとする。
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