「俺」と「僕」

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 トテトテと足音を鳴らしながら廊下を歩く。  ああぁ、まだ眠たい。  顔洗ったのに全然目が覚める気配がないなぁ。  はてさて、寝ぼけ眼で失礼。  俺の名前はエルティリア・エスト・オルトニア。 バルトリーゼ帝国における貴族家が1つ、オルトニア公爵家の嫡子にして、先日魔術師団長へ就任しました、転生者です。地球からの。  俺は前世、若くして亡くなった。すっと意識が落ちる感じがして気がついたらこの異世界に転生していた。わぁ〜お、アメイジング!  最初は赤ん坊の自分に驚いてそれはもう動揺したよ。何か手は小さいし、しゃべってみたら「ばぶばぶ」なんて言っているし、見たことないとんでもない美形男女が目の前にいる姿で俺はわんわん泣き叫んでしまった。  今思うと実に恥ずかしい。精神年齢うんぬん歳が泣き叫んでるんだぞ。いくら赤ん坊とは言えこれはなぁ、ちょっとなぁ…。  ゴッ、ゴホン。  ま、まあ、そんなのすぐに消え去った。  というのもこの世界、なんと魔法があるのだ!  生まれたばかりの頃、ごろごろとベッドにいた時の事である。 「エル様、少し変な感じかもしれませんが、じっとしていて下さいね〜。」 とメイドさんが言ってなんか唱えると体全体がスッキリと!そして、なんと排泄物が消失!  これは魔法しかないでしょう!!ってね。    その時の気持ちを一言で言うと…、      最っっっ高!  魔法は地球の全人類の夢である。これ常識。ああ、お空を自由に飛んでみたいなぁ!
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