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変なものを飼い始めた。飼い始めたとはいうがこれがいつからうちにいるのかわからない。ただなんとなく面白そうだから飼うことにした。
とはいえ変なものだから何を食べるのかもわからない。知っている動物なら調べるなりなんなりできるが知らないものは調べようがない。とりあえず冷蔵庫にあったキャベツを与えてみると体の下の方に口があるのかキャベツに乗っかってシャクシャク食べ始めた。持ち上げてみるとキャベツごと持ち上がったが、食べているところを見られるのが嫌なのか、見ようとすると体をねじって見えなくしようとする。まあいいだろう。
目がどこあるかわからない。ただこちらを認識しているようなので何かしらそれに準ずるものはあるのだろう。
それはウゴウゴとかモゾモゾとかいう形容が似合う動き方をする。そもそも足が見当たらないからそういう動き方しかできないのだろう。それは芋虫のような形をしている。肌色の芋虫だ。けれど大きさは子犬くらい。踏んで潰すようなことはないくらいの大きさがある。
これは何だろうか。近いものを考えるが思い浮かばない。そもそも見えるほどの毛が無い動物という時点でだいぶ絞られるはずだ。色と大きささえ見なければ本当に芋虫が近いのに。
名前をつけなければ不便だろうか。とりあえずいろいろな名前で呼んでみる。イモ、モム、タロウ、ハナコ、ポチ、タマ。どれにも反応しない。どれかに反応したらそれにしようと思ったのに。
なんとなく猫より犬な気がしている。大きさを子犬くらいだと思ったからだろうか。そうしたらポチにしよう。
「今日からお前はポチだ」
言いながら頭、頭らしきところをなでる。なんとなく喜んでいるように見えた。
そもそもポチはいつからうちの中にいたのだろう。昨日急にリビングにいるのを見つけたが、その時窓もドアも全部閉まっていた。どこから入ったのだろう。
昨日見つける直前に入ってきたならどこから入ったのか、見つけるよりもっと前からいたならいつからいたのかと今までどうして見つからなかったのか。
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