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「・・・というような話じゃなかったかしら」
数人の女子学生達が話している。
「ああそれ、怖かったわ」
「そうよね、脱獄囚が来て大変な目に合うし」
「最後は、人質にされてた人達が大勢で殴りかかってくるし。脱獄囚の悪の魂が乗り移ったんだわ」
「え、そういう展開だった?」
「いや最初そのアニメ見たの私が小さい時だったからそう思ってたの」
「だけど何で本物の脱獄囚が出てきたんだろう」
「脱獄囚が出てくる映画を作ろうとして、その空想世界から飛び出してきたのよ」
「ええ、何それ」
「いやこれも私がその頃見て考えたことだったんだけど」
「ちょ、ちょっとちょっと。大勢で殴ってきた?そんな展開あった?」
「あんたこのアニメ見たの?」
「いや私はマンガの方で読んだんだけど」
それに対し、1人の男子学生が説明する。
「そうなんだな。マンガではみんなが怒り出すところで終わってるけど、アニメはそのあと大勢で殴ってきたんだったな」
「だけど何でみんなが怒ってきたんだったかな」
「そりゃ、役者を連れてきた者が脱獄囚が本物だと最後まで気づかなかったんだろ」
「え、えっと、者?」
「人ではないし」
「存在、というか」
「そのアニメ、2回目に見た時にようやく意味がわかったし。いくらか成長してたから怖くなくなってたし」
「また見られないかなあ。もう1回確認したいし」
「ああ残念だ。この作品、今は見られないんだ。著作権が色々ややこしいそうだし」
「ええ、何とかならないんかなあ。子供が怖い思いをするから封印、とかしないでほしいわね。大人になってから見ればいいんだし」
「そういう事ってこれまであったかしら」
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